■ガラス、それは液体から固体に変る瞬間を生命とします。 日本ガラス工芸協会も設立以来7年を経過し其の間、自己研鑽を主体とした研究会やディスカッションを重ねて日々成長しつつあります。
 又1974年、鎌倉近代美術館に於いて、「日本のガラス展」を成功させた事も記憶に新しいと思います。これらの活動を基盤に1978年9月、新宿小田急百貨店で当協会主催による,78日本のガラス展(ガラスのすべて、アートからデザインまで)を開催する事が出来ました。
 近年、ガラスに関する展示会及出版書が多なり、ガラス工芸が世論の注目する所になりつつあります。この事は大変喜こばしい事ですが、他面間違った解釈で、ガラスを見、且つ書かれるのは迷惑な事です。
 この意味からもこの展覧会は、多くの人々に理解を深めて項く為に非常に良いチャンスであると思われます。
 私は、ガラスと云う素材は工芸の中でも、最も世界共通の素材で、その国の文化はガラスの良否で決まると云っても過言ではないと思います。期を同じくして世界クラフト合議が京都で開催されます。(当協会展は協賛展となって居ります)世界から60数名の秀れたガラス作家、デザイナー、及び関係者が日本をおとずれます。
 日本ガラス工芸を代表する当会員の作品をこれ等世界の人々に見せるのには又とない良い機合で、この展覧会によって、日本の現在のガラス工芸の現状を、つぶさに見て行く事でしょう。私達は、これを踏台として更に新しい日本のガラス工芸の分野を切り開いて行く積りで居ります。今回の展覧会には、協会員の作品展示のみならず、名誉会員岩田藤七先生、各務鉱三先生御二方の作品も展示致しました。又ガラスの文化的、歴史的意義も紹介致します。
 終りにこの展覧会開催につき、土方先生、文化庁、朝日新聞社、窯業協会、日本硝子製品工業合、関係各位の多大なご理解、ご協力を深く感謝致します。

 1978年9月
 日本ガラス工芸協会会長
 藤田喬平


サブタイトル:「ガラスのすべて・アートからデザインまで」
会 期 :1978年月8日〜20日
会 場 :新宿小田急百貨店11Fグランドギャラリー
主 催 :日本ガラス工芸協会
後 援 :文化庁、朝日新聞社、窯業協会
協 賛 :日本硝子製品工業会
内 容 :名誉会員、全会員による工芸からデザインまでを含む66名の作品展示。

○ 展覧会実行委員会組織
会 長 :藤田喬乎
副会長 :岩田久利
実行委員長: 船越三郎
企画部長 :小田洋晴郎
同副部長: 横山尚人、竹内伝治、河上恭一
実行部長: 青野武市
同副部長: 山本 壙、小林 貢、各務満
総務部長: 佐藤信泰、益田芳徳
事務局長: 岩田糸子
図録編集責任者:小田洋晴
スタッフ:菅沢利雄、上山俊一、柏原宏行、佐藤万里子、玉田敏弘、柴崎信太郎、大塚 豊、谷 祥一
撮 影 :柴田哲也

■特別出品:
岩田藤七/ Toshichi IWATA
「貝」/ Ornament Shell
h140 x w300mm

各務鉱三/ Kozo KAGAMI
クリスタル花器 / Crystal Flower Vase
h360 x d180mm
■他の出品作品は、<出版物紹介>78年図録にてご覧下さい。
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